2013年6月24日月曜日

今インターンをしているグロースキャピタル ファンドで働き始めてもう少しで3ヶ月。残すは1ヶ月となった。

今のところ、既存投資先のモニタリング、既存投資先Exitの検討、新規投資の検討に携わっている。特に新規投資の検討については、正に始まったところ。これまでセルサイドでアドバイザーを務めてきたので、バイサイドを経験できるのがとても楽しみだ。

まだ3ヶ月しか経験していないが、会長との話や自分の少しの経験を元に、その醍醐味を書いてみようと思う。

(昨今ファンドと一口に言っても様々種類があるので、僕がここで言うグロースキャピタルファンドの定義を書いておくと、
創業から成長ステージの間にある会社が投資対象
・マジョリティでなく、マイノリティ投資
となる。
従って、例えばKKRやBlackstone等マジョリティ投資を基本とするバイアウトファンドや、セコイアやKleiner Perkins等創業間もない段階での投資を主とするベンチャーキャピタルファンドとは異なる。言わずもがな、上場株式や債券等への投資を主とするヘッジファンドとも異なる。




社会へのインパクトの大きさ
既に数億円以上のサイズで、今後大きく伸びる会社が主な投資対象なので、将来に渡るインパクト(規模)が大きい。

例えば、今モニタリングを手伝っている輸送関連の会社は既に数百万人というレベルで利用者がいる+その地域で初のビジネス 等々インパクトも大きく、地域興し的な役割も担っている。

関わっている投資先が、従業員・サプライヤー・顧客・地域社会といったステークホルダーにポジティブなインパクトを与えているのを実感できるのは、ビジネスにやりがいを感じる。(自分は投資家の一員として少し働いているだけで貢献度はまだまだ小さいですが。。。)


知的好奇心への刺激
成長ステージにある様々な業界のプレーヤーに投資するので、異なる業界・地域・ビジネスモデルを学ぶ機会が豊富にあり、知的好奇心が常に刺激される。

例えば、今僕が関わっているものでも、上述した輸送・IT/決済・金融といった業界、地域はヨーロッパとアジア全域と幅広い。

この点はセルサイドに居た時と変わらないが、深みが違う。つまり、セルサイド時は案件の執行期間のみ関わるが、バイサイドである今は投資検討時から始まり、モニタリングや取締役会への貢献等を通してより深い理解ができるし、それが求められる。


自分が持つ責任範囲が思ったより広い
業務を通じて思ったのは、思ったより責任範囲が広いということ。数百〜数千億規模の金額をプロフェッショナル10〜20人程度で管理している。

人数が少ない分、下仕事を振る人がいなく自分で行う必要があるが(爆)、責任範囲も広い。

イメージとしては、前職でチームのボスがクライアントに対して行っていたアドバイスを、今は僕が会長にしている感じ。勿論私が投資の決定をするわけではないが、結構意見を組み入れてもらっている気がする。その分責任が重い笑 



僕が感じている醍醐味はこんなところだろうか。



最後に一つ。今働いているファンドは、実は日本企業にも投資していて、そのパフォーマンスが好調だ。

日本において、外資系ファンドは、外資系と言っただけで「ハゲタカ」だの「乗っ取りファンド」だのマイナスなイメージをつけられがちだ。(大衆受けするのでメディアが過剰にそれを扇情し、投資先の経営者がそれを利用しているようにも思える。)

大手バイアウトファンドで働く友人からも、「外資系ファンドというだけで敬遠される。投資しにくい。」「そもそも数百億円以上になる、投資対象がマーケットに殆どない」という話を聞く。一部を除き全体として結構苦戦している感がある。

一方、インターン先のようなグロースキャピタルファンドであれば、先ずマイノリティ出資が基本なので乗っ取りファンドにはあたらない。次に日本のパートナーと組んで出資するので、比較的良好に受け止められる。最後に創業から成長ステージが投資対象であり、投資サイズもバイアウトファンドのものより小さく(100%株式価値ベースでみて)、日本にも良い投資対象がある。

従って、日本でも相応に良いパフォーマンスを出せるのではないかと思っている。

 ただ、最後に留意点として、これらは投資先やパートナーとの信頼関係の元に成り立つものであって、その関係を作るのが最も難しく時間のかかるプロセスであることを記しておく。日本の投資先パフォーマンスが良好なのも、長期に渡る強い信頼関係を構築できている要因が大きいのだと考えている。



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