2013年7月31日水曜日

本日を以って4ヶ月に及んだ長期インターンを終えた。前職のM&Aアドバイザリーから、バイサイドであるプライベートエクイティ(「PE」)へ。投資先のモニタリングや、実際の投資分析・検討を通して、業務のイメージやこの仕事の醍醐味を知ることができ、実りが多かった。

だが、このインターンは僕にそれ以上の意味を齎してくれた。それは詰まるところ、世界的に影響力を持つ華僑の重鎮である、インターン先会長にお世話になれたことだ。

以下、投資業務に限らず、ビジネス全般にも通じるであろう、私が会長から学んだことを挙げてみたい。


Friendshipを大切に

以前も投稿したが、会長がおそらく世界的に見て飛びぬけているのは、そのネットワークだ。アウンサンスーチーさんやキッシンジャー氏から竹中平蔵氏まで、東洋を問わず強い関係を築いている。

先日ずっと気になっていたので「どうやってこんなネットワークを築いたのですか?何かコツはあるのですか?」と聞いてみた。すると、返ってきたのは「私は自然に友人を作っているんだよ。ビジネス有りきでこうしたネットワークが出来たわけではない。Friendshipを大事にし、友人に対して常に真摯であることだ。」という回答だった。

確かに彼は、先ずは相手のために動き、何か役に立てることを探している。自分のメリットになるとか利益になるとか、それは後回しなのだ。(ビジネスをする上では、勿論最終的には自分の利益も考えます。お金を失っていてはいつか破綻してしまうので。)

一つ面白かったのは、私がColumbiaへ行く際の一つのアドバイスとして、「アメリカ人ビジネスマンは、必要であれば"They sell their mothers."という面があるから、良い部分は吸収しつつも毒されるな。」 と言われたことだ。以前ウォルストリートにて投資銀行やヘッジファンドで働いていた大学の大先輩から、「アメリカのビジネスは合理性が重視され、アイデアが重宝される」と伺った。(勿論一括りには出来ませんが。)

会長のアプローチは、合理性を重視しつつも、人とのネットワークをベースに、大胆且つスピーディにビジネスを展開していく。

 
ビジネスはダイナミック且つ細やかに

普段から日常的に世界のトップエグゼクティブ達と交流しているので、そもそもの発想やアイデアのスケールが大きく、ダイナミックだ。一つ驚いたのは、先日のとある案件の交渉の場でのこと。双方が事前に話し合う予定だったアイデアが話していく中で厳しそうだと分かるや否や、その場で全く別の視点からアイデアを出し、更に相手を頷かせていたことだ。

僕が前職で見てきた交渉は、事前にある程度内容が分かっていて、仮に別の案がその場で出たとしても持ち帰って検討みたいなことが殆どだった。だが、会長はアイディアを出すのみに留まらず、相手を頷かせてしまっていた。

更に、ここでは書けないが、自身で壮大な夢も持っている。そして本気でその実現を信じ、実現に向けて邁進している。

その一方、細やかな部分も併せ持つ。元々弁護士というバックグラウンドを持っているので、契約書の詳細についても把握しているし、何より強いIntegrityを持っている。「Money cannot buy reputation」というのもよく聞いたフレーズで、良いreputationを維持する意味でも、決してIntegrityは崩さない。ここは徹底している。


強靭な体力をベースに

月の半分位は海外出張をしていて、ヨーロッパからアメリカまでよく飛び回っている。ファンドの中で最も働いているし、休日もおそらく殆ど無い。というか、休日という概念が無く、土曜午前はファンド全体の勤務時間で、一日の中でディナーの時間は家族と過ごし、それ以外は仕事という感じだろうか。深夜にロンドンやニューヨークと電話会議をしていることもままある。

それなのにいつもエネルギッシュで元気だ。快活でオーラがある。まだその秘訣を聞けてないので、今度是非聞いてみたいと思う。



会長からは本当に色々なことを学んだし、自分のビジネスに対する考え方やスケールが、インターン前と比べて大きく変わった。本当に心から感謝している。

実は、インターン終了後MBA中も色々とお世話になることが決まっている。かけがえのないメンターを得ることができた一方、お世話になっている分恩返しができるよう、これからも全力で精進していく所存だ。


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