2014年1月15日水曜日

今日は東京でも雪が降るみたいだ。NYの耳や頭が痛くなる猛烈な寒さとは違い、風が吹くと身体の芯までじわじわ染みるのが東京の寒さ。迷った挙げ句NYから持参した、スキー用のダウンジャケットが、思いのほか重宝している。


先日、現在大手商社で働く大学からの友人Sと会った。予定通り、高田馬場にある「つけ麺 やすべえ」にて大盛りを食べ、予定外に、二人揃って麺を半分残してしまった。。。学部時代と何も変わらない店内で、学生に戻った僕が、学生時代からの友人と一緒にいる。何か不思議な感じがした。

彼は社費MBAを目指しているのだが、残念ながら今年の社内選考に落ちてしまい、とても落ち込んでいる様子だった。「来年また挑戦すれば良いじゃない?」と言っても、様子は変わらない。それを見ていて、ふと自分が受験勉強に苦しんでいた日々を思い出し、思わずお腹の辺りがずしりと重くなったのを感じた。

そう、今から2年前、僕も辛い毎日を過ごしていた。MBA受験に必要な試験である、GMAT地獄にはまった。仕事で深夜まで働き、睡眠時間削って勉強する日々。しかし、結果は一向に出ない。あろうことか、点数は回を追う毎に下がっていた。勉強してから半年以上経っていたので、当時はMBA受験を半分諦めかけていたように思う。


そんな中、一時帰国していた僕に、母親が一枚の新聞の切り抜きを渡してくれた。日本電産の永守社長のコラムで、「人生はサインカーブ」といった内容だった。当時、サインカーブの下側、若しくは一番下の点に居た自分は、それに大いに励まされたのを覚えている。思わず少し泣いてしまった後に、「まだまだ頑張ろう!」とむくむくとやる気が出てきたのだ。

今回は、今でもNYの部屋に置いている、この切り抜きの内容を紹介したいと思う。以下、抜粋。


「人生はサインカーブなんです。いいことも悪いこともたくさんある。一生を振り返って、プラスとマイナスを足せば、誰しも平等にゼロになる。嫌な思いをしたら、それは良いことが起きる前触れです。僕が最たるものや。」

「沈み込む谷が深ければ、登る山は高くなる。僕の人生は、その繰り返しだ。前半が悪かったから、これからますますよくなるはずや。」

「経営者は自分で自分を動機づけなくてはいけないんです。奥さんから励ましてもらうなんてあかんのや、「社員に元気づけられた」なんて言っている経営者は何を考えているんだ。逆じゃないか。」

「若いころ教えを受けたオムロンの創業者の立石一真さんは「頑張りなさい」なんて甘いことを言わない。「私と同じで、あなたが行く道には深い川や険しい山がある。自力で超えられなければ、それだけの器ということや。」」

「若いころ楽しくやって今になって「あんたはいいな」と言う人がいる。人生を振り返って後悔するのが一番不幸だ。平穏な一生はサインカーブの波が小さいだけや。これもリスクの多い人生も、纏めてみればプラスとマイナスの収支はゼロ。どっちを選ぶかの違いやね。」


僕は、人生はサインカーブであると同時に、人生は塞翁が馬であると思う。つまり、その瞬間瞬間で悪いと思ったことでも、それが良く転じることがある。従って、一喜一憂せずに、地道に自分が望む方向に進んで行くことが大切というものだ。

僕の場合、GMAT地獄で苦しんだ末、MBA受験を1年伸ばすことにした。当時はこれが良くないと思っていた。が、1年伸ばして香港に滞在したことで、プライベートで良いことがあったり、今のメンターに出会うことができた。


いつか永守さんにお会いして、新聞記事に救われた話をしてみたいものである。すると、「新聞記事に元気づけられたなんてあかんのや。自分で自分を元気づけなくてはいけないんです。」と返されるのであろうか(笑)。


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