今週、NYでじわじわ人気が出ているDig Innというファーストフード・レストランの社長に会ってきた。とあるクラスのプロジェクトで、成長企業の社長とコンタクトし、成長の要因を分析する一方、彼らが直面している問題に対して何らかの提言を行うというものだ。
Dig Innは、元々運動を好む人向けであったとあるレストランをPEが買取り、それを今の社長が買って、ブランディングをし直し、今に至っている。コンセプトは「Farm to Counter」で、僕の理解では「健康な食事を、低価格で」消費者に届けている。
コロンビアの近くにも店舗が出来たのだが、10ドル前後で健康的な食事ができるということで、ディナーを中心にとても賑わっている店だ。
僕は、社長であるAdamが「投資銀行→PE→起業/経営」というキャリアを経ていることや、年齢が自分に近いこともあり、親近感を感じていた。一方、彼らは既に数十億円を調達していて、近くまた大型の資金調達を行う予定で、会社のステージが今の自分とは全く違う。事業も上手く行っていて、余裕も出てきているのだろうと勝手に予測していた。
だが、実際に話を聞いてみると、今でもとても苦労しているようだった。「起業や経営をするなら、レストランビジネスは辞めた方が良い。」曰く、「レストランビジネスは、全てが揃わないといけない。多くの従業員のマネジメント・サプライチェーン・ブランディング等々。その一方でマージンは低いから大変だ。」と言っていた。
他にも
・スタートアップはWork Hardが基本。従って、能力はあってもそれに合わない人には、去ってもらっている
・マネジメント層には、Super Starしか雇っていない。そこは一切妥協していない
・採用の際には、会社のMissionに対する自分のPassionを伝えて口説いている
・一番の課題は採用。人が全て
・人事責任者をもっと早く雇っておけば良かった。コアメンバーの採用が大幅に進んだし、カルチャー作りにも大きく寄与してくれている
・特別な人材を採用するためにも、ネットワーキングには力を入れている。業界のイベントへ顔を出したり、知り合い経由で
・とにかく自分達が得意なことにFocusすることが大事
という、授業中に習ったり本で読んだ、ある意味定石とも言えることを、自分の経験と共に語ってくれた。
彼自身は、一緒にいると元気が出る、熱量を周りに伝播させられる人で、僕も元気にしてもらったし、とても勉強になった。と同時に、傍から見ると順調に階段を登っているようでも、大きな苦労や苦悩を経験しながら前に進んでいるというのもよく分かった。IBリーグを出て、Wall Streetで投資銀行とPE、話題のレストラン経営者という一見するとピカピカな経歴でも、その裏には強い意志やパッションと一貫したHard Workがある。
来月、頼まれたプロジェクトの話をしに再度会うのだが、その後いつか、もっと事業を前に進めて、今の学生と経営者とは違った立場で話をできればなぁと思った。良き出会いに感謝だ。
セントラルパークにて。ここでランニングできるのも、あと2ヶ月弱であろうか。その後には厳寒の冬が。。。
0 comments:
コメントを投稿